2020年度インターンシップ代替プログラムを実施しました。

2021年04月12日

2020年度夏季・春季に予定していた海外インターンシッププログラムは、新型コロナウイルスによる海外への渡航制限の影響を踏まえ中止とし、学内研修とオンラインツールを使った代替プログラムとして下記のプログラムを実施しました。

1. AI・IoT技術開発プログラム (シリコンバレーインターンシッププログラムの代替):2021年3月1日~2021年3月26日

2. 中国ビジネス研修プログラム(DNAインターンシッププログラムの代替):2021年3月8日~2021年3月16日、3月22日

1. AI・IoT技術開発プログラム 活動レポート

「AI・IoT技術開発プログラム」は、夏季シリコンバレーインターンシップの代替プログラムとして、約4週間にわたり実施しました。参加者はAIに関する最新機器の基礎知識を学びながら、開発力を養いました。また、オンラインツールを通じてシリコンバレー現地の技術者や学生とも交流しました。

この活動についてはNVIDIA様のブログにも掲載されました。ぜひご覧ください。

https://blogs.nvidia.co.jp/2021/04/22/jetbot-casestudies-utsunomiya-u-2/

3月1日~3月12日:Jetson Nanoを用いたオンサイト開発研修

このプログラムは6名の学生が参加し、プログラム前半では学内での研修となり、会津大発ベンチャー企業の株式会社FaBoより講師を迎え、シリコンバレーのIoT開発の現状や、AI・IoTに関するものづくりの基礎知識の解説から研修がスタートしました。

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その後、学生らはAIミニコンピュータ「NVIDIA Jetson Nano」とセンサーモジュール、カメラ等の機器を1人1台用いて使い方や環境構築のレクチャーを受け、簡単なプロトタイプを作成することになりました。

「Jetson Nano」を使うのはこれが初めてという参加者もおり、苦戦しながらもチームメイトや講師の力を借りて、個人のアイデアを形にすることができました。

210302_01.jpeg 210308_03.jpg▲ガラスについた水滴を画像認識するとワイパーが自動で作動し、水滴をふき取るシステムを開発した苻坂さん(学部2年)

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▲ペットのいたずらを防止するため、カメラで犬や猫を認識すると警告がでるシステムを開発した田崎さん(学部2年)

プログラム前半の集大成として、「Jetson Nano」を提供する米国・シリコンバレーのNVIDIA社の現地社員とオンラインを通じて成果発表会を行いました。
学生は英語で発表し、現地のエンジニアからの質問にも英語で回答しました。

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学生はその他、NVIDIAのテストを受け"Jetson AI Certification"を取得することができました。

3月15日~3月26日:Arduino Nanoを用いたオンサイト開発研修

プログラム後半は、会津大学のシリコンバレー拠点があるHacker DojoからArtlogiq, Inc.の講師とオンラインでつなぎ、開発研修を行いました。

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研修の中では、講師からの「Arduino Nano」の使い方や環境構築のレクチャーに加えて、シリコンバレーで活躍するビジネスマン等をゲストに迎え、シリコンバレーの状況や、ビジネスについてのリアルな体験談を聞くことができました。

学生らは「Arduino Nano」を用いたアイデア立案とプロトタイプ開発も行いました。約2週間という短い期間ではありましたが、講師やチームメイトと意見を交換しながらそれぞれのアイデアをブラッシュアップしていきました。

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▲カラスがゴミを拾って捨てると、ご褒美のお菓子がもらえるシステムを開発したTarunさん(学部2年)

最終日にはプロトタイプを用いたオンラインプレゼンテーションを行い、約15名の視聴者が集まりました。

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参加学生の感想

参加した学生たちに感想を聞きました。

「初めてハードウエア系の開発を経験して、ハードウエア系の開発に興味をもつ良いきっかけになりました。」

「4月から研究室で人工知能について本格的に学ぶ予定なので、今回の研修を通して基礎知識を学ぶことができて良かったです。」

「参加する前から少し知識はありましたが、ものづくりを通じて改めて復習することができました。Aizu Geek Dojoの3Dプリンターを使ってプロトタイプを作ってみましたが、今度はもっと精確に作ってみたいと思いました。」

「オンラインを通じて参加するのは気軽なこともありましたが、やっぱり現地に行って雰囲気を味わいたかったです。海外渡航が再開したら、現地にも行ってみたいです。」

2. 中国ビジネス研修プログラム 活動レポート

「中国ビジネス研修プログラム」は、春季大連インターンシップの代替プログラムとして、約2週間で実施しました。参加者は大連(中国)にある東軟信息学院のオンライン研修プログラムを通じて中国のICTビジネスを学び、自分たちのビジネスアイディアをまとめました。

また、福島県いわき市にあるアルプスアルパイン株式会社への1日企業視察を行いました。

3/8~3/16:オンラインによる中国ICTビジネス研修

参加者9名は、中国・大連にある大連東軟信息学院の講師のもと、中国のICTビジネスを学ぶオンライン講座を受講しました。

この講座には大連東軟信息学院の学生も参加しており、会津大学の学生とチームを組んで実際にビジネスアイディアを考える研修を実施しました。

最終日には成果報告会を行い、それぞれのチームがビジネスアイディアとプロトタイプについて英語で発表しました。

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3/22:アルプスアルパイン株式会社への1日企業視察

オンライン研修を終えて、参加者らは福島県いわき市にあるグローバル企業「アルプスアルパイン株式会社」を訪問しました。

社員の方から日本と中国での事業展開について話を聞いた後、実際の開発現場を見学するなど、参加者にとって実り多い視察となりました。

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参加学生の感想

佐藤 亜斗武さん:「オンラインを通じて中国の学生たちとチームを組んで課題を進めることは、コミュニケーションの間の取り方にお互い慣れなかったので、思いのほか大変でした。しかし最後には何とかまとめたい!とチーム全員の気合が入り、自分たちのアイデアを発表することができました。

そして出したアイデアを実装することの難しさ、またマーケティングの観点から開発を考えることの大切さにも新たに気づきました。

アルプスアルパイン株式会社への視察では、自由な発想を大切にする社風に触れ、そこで働く会津大学の卒業生から具体的な業務のお話も伺うことができました。大変有意義な研修プログラムで、参加してよかったです。」

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コロナ禍でのインターンシッププログラムは、従来通りの活動というわけにはいきませんでしたが、制約のある中でも大学・指導者・参加学生それぞれが工夫を凝らし、主体的に取り組むことで研修が実りあるものになりました。