心電図を用いた呼吸検出方法

概要

〇呼吸器系疾患(呼吸器系ガンを含む)は日本人の死因の21.7%を占め、ガン、循環器疾患に次ぎ第3位です。そして呼吸計測は、手術、呼吸器系疾患の診断、治療、監視に不可欠です。また麻酔及び呼吸関連医療機器の市場規模は122億ドル(2013年)を超えています。一方で、専用センサは設置しにくいため、日常生活において呼吸計測を行うことは困難です。さらに心電図電極や脈波の光電センサに比べ、呼吸計測専用センサはコストが高く、消毒も必要です。しかし、睡眠時無呼吸症候群などの呼吸器系疾患は、不整脈や心不全に深く関連するため、多くの臨床現場において、呼吸・心拍を同時に計測することが必要となっています。

〇本技術は、単一誘導心電図に隠れた呼吸筋の筋電図を新たな手法で抽出し、呼吸数を計測できます。さらに、努力呼吸における、胸鎖乳突筋・内肋間筋・腹筋などの補助呼吸筋の電気活動の強度、胸郭や肩の大きな動きも計測でき、睡眠時無呼吸症候群の検出に有効です。この方法を使うと、心電図が計測できるウェアラブル健康監視装置でも呼吸が計測でき、呼吸疾患を常に監視できます。