心電図の時間周波数解析支援システム

概要

〇心臓疾患において、心電図は重要な診断手段の1つに挙げられている。しかしながら、心電図には危機的な所見がないにもかかわらず突然死を起こす例があり、そのような場合潜在的な不整脈を持つと考えられている。この潜在的な不整脈は伝道障害によるものと考えられ、心臓拍動中のQRS波付近に埋もれていることが指摘されている。このようにQRS波付近に埋もれている微小電位の解析を可能にする方法として、時間-周波数解析法の1つとしてウェーブレット変換があげられる。

〇本システムでは、多チャネル心電波形から、加算平均心電図の電位分布、またウェーブレット変換による微小高周波電位分布や電位の発生・消滅の過程をアニメーションで表現できる。これにより、電位変化を空間的・時間的に捉えることが可能となっている。また、1拍毎のウェーブレット変換後の特徴パラメータの変動情報から、異常部位の絞込みの可能性について検討している。