平成26年12月18日(木)、公立大学法人会津大学とアクアクルー株式会社(本社:猪苗代町※1)が共同開発した「公共施設稼働状態の遠隔集中監視システム」に関して、会津若松市等の施設で行っている実証実験の状況について、デモンストレーションを兼ねた説明会を開催しました。

 僻地や山間部にある上下水道等の公共施設では、運用状況を示す計器類の点検を、週に一回程度人による目視で行い、異常が発生した場合には電話等によって連絡しています。この方法では異常発生時等の即時対応が難しく、住民の生活や自然環境への悪影響が懸念されます。しかし、対応策として信号線を取り付ける、あるいは常時監視員を配備する等の方法がありますが、高い費用がかかるため実現が困難です。

 今回実証実験を行っているシステムは、こうした公共施設の稼働状況における問題点を解決しうるものです。このシステムでは、設備の稼働状況等を示すランプ盤をカメラで撮影、画像を解析します。解析されたデータはWeb上で可視化され、遠隔地にいながらリアルタイムで稼働状況が確認できます。このシステムにより、ダムや上下水道等の公共施設における異常状態の発生を、瞬時に集中して把握できるようになります。

 このシステムについては、本年3月に技術試作品の発表を行いました(※2)。その後、県内の複数施設に試作品を設置し、実証実験に基づく改良を重ねた結果、製品化に向けてのパイロットモデルに目途が立つ段階に至りました。

 今回の説明会では、開発を担当した矢口勇一准教授(※3)が、会津若松市の下荒井浄化センターでの実例を中心に、実証実験の状況についてデモンストレーションを兼ねた説明を行いました。

 本システムの適用対象施設は、福島県内だけでも約200箇所あり、そのシステム製品のマーケットは極めて大きいものと見込まれます。また本システムは、収集された施設関連データを事後解析することにより、設備老朽化に関する新たな知見の発見に結び付く等、会津若松市が進めるスマートシティ構想にも繋がる技術として期待されます。

提案システムの役割

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開発した監視システムの概略図

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※1 アクアクルー株式会社
※2 公式サイトニュース:会津大学、地元企業と提携し遠隔集中監視システム開発
※3 矢口勇一准教授