2018年12月6日(木)、電子情報通信学会VLSI設計技術研究会(VLD研究会) (※1)の授賞式が、サテライトキャンパスひろしまで行われ、会津大学 LSI設計学講座 (※2)に所属する博士前期課程1年生の東 梨奈さんが、学生優秀英論文執筆賞 (※3)を受賞しました。VLD研究会は、VLSI設計のための方法論、VLSIの設計自動化手法、さらにそれらを支える基本アルゴリズムやデータ構造を対象分野としている研究会です。2018年5月16日に北九州国際会議場で開かれたVLD研究会で東さんが発表した研究発表「Pixel-based OPC using Quadratic Programming for Mask Optimization」の研究内容と英語で執筆した論文の質が認められて、受賞が決定しました。

また、東さんは、2018年12月5日にサテライトキャンパスひろしまで開かれたデザインガイア2018 (※4)で発表した研究発表「0-1二次計画法によるプロセスばらつきを考慮したモデルベースマスク補正手法」でも、学生ポスター賞を上記12月6日の授賞式で受賞しました。デザインガイアは、VLD研究会を含む電子情報通信学会の7つの研究会と情報処理学会の3つの研究会が共催し、IEEEの2つのチャプターが協賛し、3日間で延べ451人が参加した研究会です。ポスター発表会では、ポスターの出来栄え、研究内容とその説明、質疑応答の的確さが評価され、全発表41件の中で優秀な3件に選ばれて、受賞が決定しました。

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ポスター発表会での東さんの様子

 

どちらの発表も、東芝メモリ株式会社、東京工業大学、会津大学小平上級准教授との共同研究によるもので、LSI製造工程おける光露光という工程で行われるマスク設計で、光近接効果補正(Optical Proximity Correction、 OPC)という解像度を向上させる技術について、補正の精度を向上するための技術を発表しました。発表した手法により、環境変動により発生するLSIの不良品率の改善が期待できます。

<東 梨奈さんのコメント>

この度VLD学生優秀英論文執筆賞とデザインガイア2018学生ポスター賞を受賞したことを大変嬉しく思います。この場を借りて、学部生の頃から親身に指導して下さった小平上級准教授、また多大なご支援・助言をしていただきました東京工業大学の松井 知己教授、高橋 篤司教授、東芝メモリ株式会社の児玉 親亮博士、野嶋 茂樹様に深く感謝の意を表したいと思います。英語で執筆した卒業論文を推敲して、VLD研究会にて発表した英語論文が評価されたことを嬉しく思います。また、マスク設計におけるOPCの研究者が多くなく、本研究がどのように評価されるのか不安もありましたが、デザインガイア2018のポスター発表において、このように評価して頂いたことは、これからも研究を続けるにあたって私自身非常に自信になりました。今回の受賞を励みに今後この研究を続け、国際会議や論文誌で研究を発表し、LSI分野に貢献していきたいと思います。

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デザインガイア学生ポスター賞の賞状授与後の東さん

 

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研究会学生優秀英論文執筆賞の賞状授与時の東さん