[最終更新日]2009-11-26

一般講演会
「かぐや」がとらえた最も新鮮な月面クレータ、ジョルダノ・ブルーノ
~ジョルダノ・ブルーノ形成は中世に目撃された巨大発光現象の正体か?~

morota11月19日(木)、宇宙航空研究開発機構(JAXA)研究員の諸田智克氏を講師に迎え、月面クレータの最新研究を紹介する一般講演会を開催しました。
諸田氏を筆頭に、会津大学教員を含む研究者12名の論文が、月面クレータ、ジョルダノ・ブルーノ(※1)の形成年代を明らかにし、隕石・惑星科学専門誌「Meteoritics & Planetary Science」に掲載されことに関して、その研究成果をはじめ月に関する様々な話題を紹介しました。

諸田智克
金沢大学大学院にて博士(理学)取得後、平成17年4月より宇宙航空研究開発機構(JAXA)研究員として、月周回衛星「かぐや」データ処理システムの設計・開発、運用システムの構築に携わる。「かぐや」運用開始後は、地形カメラの画像解析・研究に従事。会津大学大学院特任准教授。

※1
ジョルダノ・ブルーノは月の裏側にあり、直径20kmのとても明るく非常に新しいと思われていたクレータ。その形成年代は不明だったが、イギリスの古文書によれば、1178年「月に突如として明るい巨大な発光があった」とされ、そこに記述された場所などから、ジョルダノ・ブルーノこそ、この大発光現象をもたらした隕石の衝突によってできたものに違いない、と考えられてきた。しかし、一般に直径20kmサイズのクレータは、約3000万年に1度の頻度で形成されると考えられており、ジョルダノ・ブルーノが中世に形成されたものであるならば、月・地球系の衝突史の理解を根本から見直さなければならず、この形成年代を調べることが重要な問題となっていた。

「Meteoritics & Planetary Science」掲載論文の概要については、こちらをご覧下さい。

[参考]