概要

 災害時などにおける人や車の動き,またその混雑状況の把握は,災害の人的被害を最小化するために必要な情報の1つです.災害時に飛行機やドローンをとばし,搭載のカメラの映像を解析することによって,その情報の取得の努力が,これまでさまざまに試みられてきました(optical flow, particle filter, Kalman filter, 時空間voxel code の統計処理、など).しかし,従来の手法では,個別の人や車の多様な動きを検出して,状況を把握するまでの性能がでていません.特に,人や車の動画からの切り出し問題が良好に解決されていません.さらに,災害時には広範囲の地上をとらえる動画映像からリアルタイムで処理する必要があります.

 災害時では,屋外の広い領域が対象ですので,狭い街中をレーザーなどで人混みを検出するのでは間に合いません.

 求められている新アルゴリズムとは,広い領域において、迅速に、容易に,持続的に、自動的に,実時間で,また,個々の人や個々の車の動きを,動画像から人や車を切りだすことなく,良好に検出できるものです."切り出し"と"認識"を同時的に行うことで,この問題を解決しています.

 われわれの開発した「時空間連続DP」[1]という手法は,人や車の写っている動画からの,時間と場所について切り出し不用なことを含めて,上記の必要される様々な機能をもつものであり,人や車の動きが実時間で検出できるものです.

ここでは,災害時ではありませんが,この手法を別の動画に適用した2種類の実験例を下図に示します.いずれもビデオカメラによる動画映像から,個々の人や個々の車の動きを良好に検出しているものです.1つは,サッカーの試合をとっているビデオ映像から,各選手がどのように動いているかの様子を検出したものです.1つは,町の道路で,各々の歩いている人や,各々の動いている車の様子をビデオ映像から検出したものです.ここでは,歩道を歩いている人も検出されています.それぞれの図中で,色の違いは動きの違いを表現しています.

 これらの結果から,「時空間連続DP」 は,確かに,個々の人や個々の車の動きを検出していることがわかります.それ故,災害時にも先に述べた目的に利用できる可能性を示しています.この技術はすでに特許取得済です.

 近年,利用が盛んになっているドローンには,様々なセンサーが搭載できますが,これらからどのような有用な情報が検出できるかに,ドローンの有効性がかかっています.そのため,良好なアルゴリズムの開発とその実装,評価に関するソフトウエアが,実際的なドローンの利用価値を決めることにもなります.

[1] Yuki Niitsuma, Syunpei Torii, Yuichi Yaguchi & Ryuichi Oka:"Time-segmentation and position-free recognition of air-drawn gestures and characters in videos", Multimedia Tools and Applications, An International Journal, ISSN 1380-7501, Volume 75, Number 19, pp.11615--11639.


講座・グループ

研究カテゴリー

活動分野
画像処理 環境 ロボット 災害対応
関連キーワード