復興支援でサイエンス・カフェ

sciencecafe0208-1会津大学が行う震災復興支援「赤べこプログラム」の一環として、会津若松市に避難する大熊町の小学校5、6年生を対象にサイエンス・カフェを実施しました。
サイエンス・カフェは、科学者と市民が気軽な雰囲気で科学の話題を語り合うイベントで、お茶やお菓子を楽しみながら行われているものです。
避難生活を送る小学生に、小惑星探査機「はやぶさ」の快挙から宇宙への興味を広げ、夢を持つことの大切さを知ってもらおうと、大熊町立小学校会津若松分校(旧河東第三小学校)を訪れたのは企画運営室の奥平恭子准教授。元宇宙航空研究開発機構(JAXA)のスタッフである奥平准教授は、「はやぶさ」の軌跡をまとめた小冊子『はやぶさ君の冒険日誌』をもとに、惑星探査の目的や「はやぶさ」のミッションを紹介しました。
「はやぶさ」が探査した小惑星「イトカワ」は地表が岩石で凸凹した地域と滑らかな地域がありました。これは「ブラジルナッツ効果」(※1)と呼ばれる現象が起きたことによるものですが、この現象を知るためにミックスナッツ缶を使った実験が行われました。生徒は探査機の形状や仕組みに理解を深めるためのペーパークラフト作りにも挑戦し、サイエンス・カフェらしく楽しみながら科学に触れる機会となりました。

なお、サイエンス・カフェの実施にあたり、会津坂下町の太郎庵からお菓子、会津中央乳業からコーヒー牛乳と、ブラジルナッツ効果の実験には神戸市の東洋ナッツ食品(株)よりブラジルナッツ入りのミックスナッツ缶、ナッツ菓子2種類が提供されました。

※1
ブラジルナッツ効果
異なる大きさのミックスナッツが入った缶を揺すると、一番大きなブラジルナッツが自然と表面に浮き上がってくる現象。「イトカワ」では、小天体の衝突などにより「イトカワ」が振動して岩石が大小に分かれ、凸凹した地域と滑らかな地域ができたと考えられている。地球以外の天体では初めて発見された現象で、この発見は会津大学をはじめ、東京大学、JAXAなどの合同研究チームによる成果です。会津大学は「はやぶさ」が撮影した高解像度画像と「イトカワ」の形状モデルをもとに、「イトカワ」表面の地形解析を行いました。

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ミックスナッツ缶で実験(左)、お菓子とコーヒー牛乳を受け取る生徒(右)

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ペーパークラフト作りの様子